4. 換気の話
今回は、エネルギー損失の原因の第2位の換気についてです。
換気といっても換気扇自体のことではなく「家の隙間」です。
よく住宅会社の性能を誇るのに当社はC値1.0と表示してあるその事です。
この隙間相当面積が、一般的な住宅の場合40%前後のエネルギーが逃げる原因といわれます。
皆さんは、どういうところが住宅の隙間になっているかご存知ですか。
一番逃げる場所が「窓」です。
それも、引き違い窓の隙間といったら相当なものです。
手を当ててみるだけでわかるはずです。
その為、海外の窓に引き違い窓というのは殆ど存在しません。
動く引き戸は右側か左側だけの片引き戸です。
また、腰高の窓は引き違いを使わず、上げ下が窓(ダブルハング)縦滑りだし窓(ケースメント)又は、横滑り出し窓(オーニング)で構成されております。
カタログを見ると水密気密の性能が載っております。
その数字はAの1から4(4が国内では最高)という単位であらわされます。
窓という部材は、この換気のコーナーでも非常に重要なパーツであります。
昨年より、全ての居宅に1時間に0.5回の空気の入れ替えを義務付けされる事になりました。
この事によって隙間が多い住宅は、機械換気をすることによって、隙間風を呼んで寒い住宅が益々、寒くなるようになってしまいました。
この法律は、家の中にホルムアルデヒトが滞留する事によって、シックハウスアレルギーが大量に増えつづけている日本の住宅を何とか減らしたいという事で出来た法律ですので、
冬に家が寒くなろうと知った事ではないという非常に安易な発想から出来た法と思います。
(ちなみにシックハウスがなくなると医療保険が30%節約できるそうです。
また、欧米にはシックハウスという言葉は存在しません。
なぜかというと、そういったアレルギーの人がいない為です。
1980年代にオフィスでコピー機やFAXなどプラスチック製品が氾濫し始めた時に、
シックオフィス症候群というのが始まりで海を渡ってこの国に伝わった時に
住宅で同じような事が起きた結果シックハウスという和製英語が誕生したのです。)
窓の次にエネルギーが逃げるところは、床と壁の取り合い箇所と天井と壁の取り合い箇所です。
在来工法の場合どうしても隙間が出来る箇所です。
また、壁下地でもあるプラスターボードの継ぎ手も目には見えない部分ではありますけれど空気のでは入りする箇所です。
以上のような事から、隙間をなくし気密状態にする事によってはじめて、正常な換気計画が生きるということです。
そして、断熱と気密と換気というものは三位一体なのです。
どれか一つかけても欠陥になる恐れがあります。
そういったことを踏まえて正しい家造りをして下さい。
PS, 最近、当社のお客様で「熱交換器型の換気システム」を希望される方が非常に多いのですが、
北欧では、熱交換型を設置する場合は、メンテナンス契約や近くに洗い場を作るといった制約が多くあり、
熱交換型の換気システムは、それほど危険性があるという事なのです。
メンテナンスをしないで使いっぱなしだと、部屋中にカビを撒き散らす原因になりかねません。
気密住宅の日本の先駈けの北海道でも95%超が第3種型の換気システムです。
それと熱交換型は、電気代が非常にかかる為、ランニングコストが高くあまり注目されない原因の一つです。
換気は非常に難しくデリケートな問題です。
まだまだ説明が足りませんが、もし、分からない事などありましたら、どうぞご連絡ください。
出来うる限りお答えします。